海外在住でも株式投資はできる?最初に知っておくべきこと
「ドイツに住んでいるけど、株式投資を始めたい」
「1000円からでも始められるって聞いたけど、海外からでも可能なの?」
最近は投資への関心が高まり、少額から始められる「1000円株」やインデックス投資が話題ですが、海外在住の場合は少し注意が必要です。
特に、日本の証券口座を開設・維持するには「日本国内の住所」が大きなカギになります。
日本の証券会社は「日本居住者向け」
多くの日本の証券会社(SBI証券、楽天証券、マネックスなど)は、利用条件として*「日本に住んでいること(居住者)」を定めています。
よくある制限
- 日本の住所がないと口座開設できない
- すでに口座を持っていても、海外転居の報告が必要
- 海外在住になると、取引停止や口座解約を求められることも
つまり、ドイツなど海外に移住した場合、日本の証券口座をそのまま使い続けるのは原則NG。非居住者は新たな口座開設も難しいのが現実です。
🇯🇵NISA口座はどうなる?ドイツ移住で「強制売却」が必要になることも
私自身も体験したのですが、日本で開設したNISA口座(つみたてNISA・一般NISA)は、海外に移住すると継続利用できません。
金融庁や証券会社のルールで、「日本に住所があること」がNISA利用の前提条件だからです。
注意 ドイツ移住後に起こること
- 日本の証券会社に「非居住者」になることを報告すると、NISA口座は自動的に失効
- NISA口座で保有している投資信託や株は、NISA扱いではなくなる
- 一部の証券会社では、保有分を強制的に売却するよう求められることも
【体験談】
私は実際にドイツへ移住後、まだ運用中の投資信託がありましたが、やむを得ず全て売却。その時は正直ショックでした。
ドイツで投資を始めるには?
日本株が難しい場合、ドイツや欧州圏の証券会社を使って、現地通貨で投資を始めるのが現実的です。
💡 ドイツ在住者に人気の投資方法
- Trade Republic(トレードリパブリック)
→ ドイツのモバイル証券アプリ。ETFや株が少額から買える。 - Scalable Capital(スケーラブル・キャピタル)
→ 長期投資に向いたETF積立が可能。口座維持手数料も安め。 - DeGiro(デジロ)
→ オランダ拠点の国際証券。コスト重視派に人気。
これらのサービスは、ドイツに住所があり、口座開設要件を満たしていれば、日本人でも利用可能です。
Trade Republic(トレードリパブリック)では、非常に少額から投資可能
最低投資額は1ユーロから
Trade Republicでは、株式、ETF、債券、暗号資産などの金融商品に1ユーロから投資可能です。これは、少額からでも投資を始めたい方にとって非常に魅力的なポイントです。
初回入金額に制限なし
口座開設後の初回入金に関して、最低入金額の制限はありません。つまり、1ユーロからでも入金して取引を開始できます。
積立投資も1ユーロから可能
また、Trade Republicの積立投資プランでは、1ユーロから積立を設定することが可能です。これにより、毎月少額ずつでも定期的に投資を行うことができます。
安心感と信頼を求めるなら:銀行のDepot
たとえば「すでにDKBやComdirectで口座を持っている」という場合は、同じ銀行内でDepotを開設すると手続きもスムーズで管理も簡単です。
- DKB、Comdirect、INGなどが提供
- 銀行口座とセットで使えて、サポートも充実
- 一括投資や手堅い資産運用を考えるなら◎
ちなみに、私は最初に「SparkasseでDepotを作ろうかな?」と思ったのですが、夫(ドイツ人)に“あまりおすすめじゃないよ”と言われてやめました。
理由は、手数料が高くて選べる商品も限られているからとのこと。
実際、他の銀行やネオブローカーと比べると、少額投資には向いていないと感じました。
税金はどうなるの?日本とドイツの違い
株式を売却して利益が出た場合、日本では譲渡益課税(約20%)がかかりますが、海外在住中は少し事情が異なります。
- 日本の「非居住者」になると、日本の証券会社では課税されない
- ただし、ドイツの居住者としては、ドイツの税法に従って課税対象になります
ドイツでは株の売却益・配当などに約25%のキャピタルゲイン税(Abgeltungssteuer)がかかります。ただし年額1,000ユーロまでの利益は非課税(2023年現在)。
海外在住者でも投資を始めるコツ
- まずはドイツの証券口座を作ることから
- 投資信託やETFなどから始めると安心
- 日本の証券口座を使いたいなら、一時帰国時に検討を
- 資産管理は日独の税制を意識して
海外在住だからこそ、無理なく賢く投資を
ドイツ在住という立場では、日本の証券口座を使うのは思ったよりハードルが高くなります。けれど、ドイツ国内にも優秀な投資サービスが整っており、初心者でも始めやすい仕組みができています。
「日本にいないから無理」とあきらめず、“今の自分に合った方法”で、少しずつ資産形成を始めていきましょう。