サッカーと人権問題

今回は、日本が遅れをとっている「人権問題」意識にフォーカスを当てたいと思います。

日本がドイツに勝ったのは、ほんとうに素晴らしい。

しかしながら、今回のワールドカップは「人権問題」が大きく絡んでいることを、別の角度から見てみたいと思います。

差別への反対を示すキャプテンマーク

ドイツを含む複数のヨーロッパのサッカーチームは、「One Love」と虹色のハートマークをキャプテンが着用することで、反対を訴える構えでした。これは、カタールで「同性愛」が違法とされていることへの抗議です。

国際サッカー連盟(FIFA)は、キャプテンマークの着用を認めず

しかし、FIFAは、着用した場合、制裁を科すとの姿勢に出ました。これをうけて、ドイツのサッカー連盟もキャプテンマークをつけないよう要請したようです。

そこで選手や監督は、別の方法を模索することになります。

カタールの人権問題に抗議する選手やチーム

写真撮影の際に、口を塞ぐ

ドイツの選手たちは、キャプテンマークの着用を認めなかったFIFAに対し、写真撮影時に口を塞ぐことで抗議しました。

今回のワールドカップはボイコット

サッカー選手だけではありません。

カタールの人権問題を重視して観戦をボイコットする動きがドイツではありました。

スタジアム建設などに従事した6000人以上の外国人労働者が、過酷な労働で死亡。さらに、同性愛が違法で厳しい刑罰の対象となっていることに対し、深刻な人権問題と捉えたのです。

「人権」を理由に、今回のワールドカップは見ないことにしている国民がかなりの割合でいるようです。

本来、ドイツ人はワールドカップで大熱狂

サッカー好きの欧州人がこぞって批判して、見ないほど。私がドイツでワールドカップを見ていた時には大きな熱狂だったので、とても信じられません。

ドイツ人にとって「人権を侵害される」ことへの「抵抗」としての「表明」は大事なもの。

日本の対応:人権問題への抗議は「今は」好ましくない

一方、カタールでの人権問題に抗議の動きが出ていることについて、22日、日本サッカー協会の田嶋幸三会長は「今この段階でサッカー以外のことでいろいろ話題にするのは好ましくないと思う」と述べました。

参考:ワールドカップ人権問題に抗議 “今は好ましくない” 田嶋会長

みなさんは、どう考えますか?

人権問題に意識が向かない日本社会において、欧州のサッカー選手たちの抗議の姿はどう映るでしょうか。

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