彼はドイツ人。私は日本人。会話はドイツ語です。
私はドイツの専門家。彼も日本についてとても詳しく、ドイツの会社での上司は日本人です。
お互いの国をよく知っています。
彼とは付き合って3年になりますが、大きな喧嘩もなく平和に過ごしています。
それでも時々起きる、日独の違いをレポートしていきたいと思います。
アボガドのクリームを食べたい?
アボガドのクリーム
ドイツのビオマーケットによく売っている、このアボガドのクリームは私たちのお気に入りです。
ある日の晩、彼はパンを食べたかったので、このアボガドクリームとパンに塗る色々なクリームやサーモンを買ってきました。
彼はクリームを塗りながら、おもむろに、私にも「アボガドクリームを食べたいか?」と聞いてきました。
買ってきたのはあなただもん。好きに食べていいよ。
このクリームは彼が買ってきたものです。私は、「自分が食べたいかどうか」を考えるよりも早く、別に彼が好きなようにすればいいと思いました。
「あなたが好きなように食べればいいよ」
私の返事に対する彼の返答は、こうでした。
「アボガド食べたいか?」
なんと、また質問をリピートしてきたのです
「好きに食べていいよ」と私答えました。
「僕は、君がアボガドを食べたいか、聞いてる。僕の質問に答えて」
(´-﹏-`;) …
日本とドイツの親切の違い
私は彼の質問に答えたつもりです。
彼が買ってきたものなんだから、彼が食べたいなら全部食べればいいし、残したいなら残せばいい。
でも彼は納得しないので、
必死で私の気持ちを考えました。
だったら、「少し食べたいかな」
彼は勝ち誇った顔で、ニヤリ。また質問をしてきました。
「どのくらい食べたいか?」
自分の気持ちを伝えないといけないと思ったので、考えてみました。
なんとなく20%くらいだと思ったので、「20%」と答えました。
ドイツ文化的には、それぞれが好きなものをはっきり具体的に言うのが重要なようです。どうしても・・・。
私は、日本式の親切を伝えました。彼はドイツ式の親切を伝えたのです。
もちろん彼は、私のこの日本式の親切も理解しています。
冷蔵庫には、20%分残ったアボガドのクリームが置かれていました。
はっきり伝えることが素晴らしいドイツ社会と、相手の出方を考えるのが良い日本社会
もちろん個人差があります。日本人・ドイツ人と区切るのはいささか乱暴でしょう。
それでも日独の文化の違いは確実に存在します。
日本社会において、はっきり言うことは、良いことでしょうか。
おそらく、日本社会においては、相手の気持ちを考えた上での回答が良しとされます。
どちらが悪いとか良いとかではありません。それに、国家間ではなくとも、人それぞれ違います。
この違いをそれぞれが受け入れて迎合していくことが、人間関係の秘訣かもしれません。