ドイツで子育てをしていると、日常の中で「うわ、今の状況、パパにどう説明しよう?!」とハラハラする瞬間にたくさん出会いますよね。
今日、水遊び場でまさにそんな「ちょっとした事件」がありました。
おうちに帰って夫に「ねえ聞いてよ!」と一生懸命説明したのに、なぜか一発で「あぁ、なるほどね」と伝わらず、なんだかもどかしい思いをしてしまったんです。
私のドイツ語は決して美しいわけではありませんし、まだまだ発展途上です。
それでも普段は大抵のことは一発で通じるのですが、時々、なんだかうまく言葉が紡げなくなる「ドイツ語の罠」があるんですよね。
水遊び場での一コマ
今日、水遊び場へ行ったときのこと。
うちの息子が、少し年上の子どもたちのグループに混ざろうと、トコトコと輪に入っていきました。
最初はすべて順調に、うまく馴染んで、なんとなく近くで遊んでいるように見えたんです。
ところがその後、息子が彼らの遊びを少し邪魔してしまったようで、年上の男の子の一人から、ポンと軽く突き飛ばされてしまいました。
「あ、危ない!」と思った瞬間、その男の子が「あ、お母さんが見てる!」と私からの視線に気づいたみたいで。
ハッとした顔をして、すぐに「ごめんなさい(Entschuldigung)」と謝ってきました。
当の本人の息子はというと……。
突き飛ばされたことにも、男の子が焦って謝ってきたことにも、何が起きたのか状況を全く分かっておらず、ただケロッとしていたのでした(笑)。
簡単に表現できそうで、できなかった不思議
この一連の出来事、後から落ち着いて考え直したら、こんな風にドイツ語の文章にすることができました。(AIの力も借りながら)
„Mein Sohn hat sich auf dem Wasserspielplatz einer Gruppe älterer Kinder angeschlossen. Am Anfang lief alles gut, aber weil mein Sohn sie dann gestört hat, hat ihn ein Junge leicht weggeschubst. Als der Junge merkte, dass ich zusehe, hat er sich entschuldigt. Mein Sohn hat die Situation gar nicht realisiert.“
(※ブログ用に息子の名前は mein Sohn にしています)
文法的には決して複雑ではありません。
なぜすぐにパパに話そうとした瞬間は、anschließen と wegschubsen という単語がパッと出てこなかったのでしょうか?
自分でも不思議に思って調べてみたら、そこには日常会話ならではの「脳の罠」があったんです!
① anschließen(アンシュリーセン)の罠
この単語の最大の特徴は、「大人の視点(客観的)」の言葉だということです。
目の前で我が子が動いているとき、ママの私の脳内には「走る」「遊ぶ」という『子どもの具体的な動き』の映像がリアルタイムで浮かんでいます。
しかし、sich anschließen は大人が「ツアーに参加する」というような、一歩引いた大人の社会的な表現です。
ハラハラしている現場では、脳が「目の前の映像」を処理するのに必死なため、引き出しの奥にある硬い大人の単語まで手が届かず、フリーズしてしまったみたいです。
「子どもの視点」での自然な表現
- mitspielen(ミットシュピーレン / 一緒に遊ぶ)
- mitmachen(ミットマッヘン / 輪に混ざる)
子どもたちが遊び場で「ねえ、混ぜて!」と言うときはこの言葉を使います。子どもの脳が見ているのは、大人のような「集団への合流」ではなく、目の前の「楽しいアクション(=一緒に遊ぶこと)」そのものだからです。
② wegschubsen(ヴェックシュプセン)の罠
日本語の「突き飛ばす」という強い言葉に引っ張られると、私の脳はつい stoßen(突く)や drücken(押す)、あるいは英語の push に似た音を必死に探そうとしてしまいました。
さらに、この schubsen という単語は、「子供同士の小競り合い」以外では大人が日常生活でほとんど使いません。
そのため、大人用のドイツ語脳のネットワークから外れた場所にポツンと置かれていて、緊急事態のときに脳がその場所をすぐに見つけられなくなっていたようです。
ここで、ちょっとしたドイツ語の豆知識なのですが……
「ちょっと押しただけなのに、わざわざ『突き飛ばす(wegschubsen)』なんて大げさな単語を使っていいの?」と思いますよね。実は、この単語のポイントは「押す強さ(強いか弱いか)」ではなく、「押した目的(あっちに退かすため)」にあるんです。
男の子が「僕たちの場所からあっちに行ってね」という意図で、手で息子をポンと軽く押し戻した。
この「僕たちのエリアからあっちへ(weg)追いやる」という行動そのものが、強さに関係なく wegschubsen になります。
だからこそ、後から作った文章では leicht weggeschubst(=軽くあっちへ押しやった) と、leicht(軽く・ちょっと) という言葉をあえて組み合わせました。
がんばる自分への、小さなお守り
その場で単語が出なかったのは、私のドイツ語力が足りないからではなく、「目の前の我が子のピンチに、脳が全エネルギーを使っていたからなんだ」と思うことにしました。笑
現地でうまく言えなくて悔しかったからこそ、後からこうして調べて、正しい単語を使った文章に仕立て直すことができた。
この次に繋げる執念こそが、私のドイツ語を少しずつ育ててくれている気がします。
この完璧なドイツ語テキストと今日の悔しさは、私が息子を想い、ドイツ語を一生懸命がんばっている最高の証拠として、大切に保存しておこうと思います。
みなさんも、現地で「あの単語が出なかった!」という経験はありませんか?
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