ドイツの肉屋でお肉の買い方

地元の街角に「Metzgerei」の看板があれば、そこはお肉屋さんです。

豚肉、鶏肉、牛肉、ソーセージ、ハムなどさまざまな新鮮な肉製品や加工品が並び、地域ごとの特産品や手作りのソーセージを楽しむこともできます。

その場で作られた温かい料理や惣菜(サラダ類、調理済みの肉料理、パンに挟むものなど)も販売しており、地元の人々が気軽に立ち寄ります。

そこで料理された肉料理類は、持ち帰りやその場で食べる軽食として人気です。

今回は、牛肉、豚肉、鶏肉やラム肉、珍しいイノシシ肉などの買い方をお伝えします。

豚や牛の薄切り肉に関しては【ドイツで「薄切り肉」の買い方】をご覧ください。

簡単な頼み方

ドイツの精肉店でお肉を買う時のドイツ語はとても簡単です。基本的に次の流れです。

  1. 挨拶
    「Guten Tag!(こんにちは!)」「Hallo!」「ミュンヘンの地域の挨拶:(Grüß Gott!)(Servus!)」などで始めます。
  2. お肉の種類を言う
    例:「Ich hätte gern 500 Gramm Rindfleisch.(牛肉500グラムください。)」
  3. 特定の部位がある場合
    例:「Ich hätte gern 300 Gramm Lammkoteletts.(ラムチョップ300グラムください。)」
  4. ありがとうと言う
    「Danke schön!(ありがとうございます!)」

Ich hätte …(~が欲しいです)

Ich nehme…(~にします)

これさえ覚えていればなんとかなります!

つまり、肉の種類や部位のドイツ語をおさえておけば大丈夫。発音に自信がない人は、紙に書いて文字を見せてもいいですね。

肉類(Frischfleisch)の種類

肉の種類 詳細 用途
牛肉(Rindfleisch) ステーキ用、ロースト用、タルタル用など ステーキ、ロースト、タルタル
豚肉(Schweinefleisch) ソーセージ作り、カツレツやシュニッツェルに適している ソーセージ、カツレツ、シュニッツェル
鶏肉(Geflügel) 鶏、アヒル、ガチョウなどが含まれる グリル、ロースト、スープ
猪肉(Wildschwein) 風味が豊かで、通常の豚肉よりも濃厚 シチュー、ロースト、グリル
鹿肉(Rehfleisch または Hirschfleisch) 低脂肪で高たんぱく質、ドイツの森に多く生息 ステーキ、シチュー、ロースト
ラム肉(Lammfleisch) 羊の若い個体から得られ、柔らかい風味 グリル、ロースト、カレー、タジン料理
ウサギ肉(Kaninchenfleisch) 低脂肪で淡白な味わい ロースト、シチュー、パスタのソース
ヤギ肉(Ziegenfleisch) 希少で健康的な選択肢 シチュー、煮込み料理、グリル
鴨肉(Entenfleisch)やガチョウ肉(Gänsefleisch) 脂肪が多くジューシー、特にクリスマスに人気 ロースト、グリル、クリスマスディナー

肉類の価格ランキング:安い順ガイド

  1. とり肉(Geflügel): 特にとり肉は非常にリーズナブル。アヒルやガチョウは季節性があり価格が上がることがありますが、基本的には鶏が一番安いです。
  2. 豚肉(Schweinefleisch): とり肉に次いで安価で、日常的に手頃な価格で購入できます。
  3. 牛肉(Rindfleisch): 牛肉は豚肉や鶏肉より高価ですが、部位によって価格は変動します。ステーキ用やロースト用は高めです。
  4. ラム肉(Lammfleisch): 牛肉に近い価格帯ですが、季節によっては少し高めになります。
  5. ウサギ肉(Kaninchenfleisch): クリスマスやイースターなどの特別な時期に購入されるため、比較的高価です。
  6. 猪肉(Wildschwein): 野生肉であるため、豚肉よりも高価。特に秋から冬にかけて需要が増え、価格も上がります。
  7. 鹿肉(Rehfleisch または Hirschfleisch): 野生肉の一つで、特別な食材として扱われ、高価です。
  8. ヤギ肉(Ziegenfleisch): 市場にあまり多く出回らないため、価格は高めです。
  9. 鴨肉(Entenfleisch)やガチョウ肉(Gänsefleisch): 特にガチョウ肉は非常に高価で、クリスマスなどの時期にはさらに値段が上がります。

とり肉の部位の種類

部位(日本語) 部位(ドイツ語)
胸肉 Hähnchenbrust
もも肉 Hähnchenschenkel
手羽先 Hähnchenflügel
ささみ Hähnchenfilet
内臓(レバー、心臓など) Innereien (Leber, Herz, etc.)
背肉 Hähnchenrücken
首肉 Hähnchenhals

胸肉(Hähnchenbrust)は、鶏肉の中では比較的高価です。低脂肪で高たんぱく質なため、健康志向の人に人気があります。鶏もも肉(Hähnchenschenkel)は、用途が幅広くコストパフォーマンスに優れており人気です。

鶏もも肉の種類

鶏もも肉(Hähnchenschenkel)には、骨の有無や調理方法に応じていくつかの種類があります。ドイツ語ではこれらの種類を以下のように表現します。

  • 骨付きもも肉(Hähnchenschenkel mit Knochen)
    骨がついたままのもも肉です。グリルやローストに最適で、ジューシーさを保ちやすい。
  • 骨なしもも肉(Hähnchenschenkel ohne Knochen)
    骨を取り除いたもも肉。調理がしやすく、煮込み料理や炒め物に適しています。
  • 皮付きもも肉(Hähnchenschenkel mit Haut)
    皮が残ったままのもも肉。皮がパリッと焼けるため、グリルやローストで風味を楽しむのに最適。
  • 皮なしもも肉(Hähnchenschenkel ohne Haut)
    皮を取り除いたもも肉。脂肪分が少なく、ヘルシーな料理に向いています。
  • 鶏もも肉のフィレ(Hähnchenoberkeulenfilet)
    もも肉の上部(太もも部分)のフィレで、骨と皮を取り除いた部分。柔らかくて調理しやすいです。

骨付きもも肉は、骨からの旨味が出るため、煮込み料理やローストに向いています。骨なしもも肉は、手軽に使えるため、忙しい日常の料理にも便利です。

豚肉の部位と種類

部位(日本語) 部位(ドイツ語)
ロース Schweinelende
肩肉(肩ロース) Schweineschulter
バラ肉 Schweinebauch
もも肉(ハム) Schinken
ヒレ肉 Schweinefilet
ソーセージ用肉 Wurstfleisch
スペアリブ Rippchen
手羽先 Schweineflügel

豚肉の部位人気順

  1. ロース(Schweinelende)
    豚肉の中でも特に人気が高い部位で、肉質が柔らかく、脂肪が少ないのが特徴です。焼き肉やグリルに適しており、ステーキとして楽しむことができます。
  2. 肩肉(Schweineschulter)
    ジューシーで風味豊かな部位で、煮込みやロースト料理に最適です。スロークッカーで調理すると、柔らかくなり、非常に美味しい料理に仕上がります。
  3. バラ肉(Schweinebauch)
    脂肪が豊富で、ジューシーさと風味が特徴です。焼き豚やベーコンとして人気があり、様々な料理に使われます。特に、皮がパリッとした食感が楽しめる調理法が好まれています。
  4. もも肉(Schinken)
    ハムとして加工されることが多く、非常に人気のある部位です。スライスしてサンドイッチやパスタ、サラダに使われることが多いです。調理法も多様で、焼いたり煮たりすることもできます。
  5. ヒレ肉(Schweinefilet)
    非常に柔らかく、脂肪が少ないためヘルシーな選択肢です。特別な日の料理や、パーティー料理に向いています。調理の仕方も簡単で、すぐに火が通るため人気があります。
  6. ソーセージ用肉(Wurstfleisch)
    豚肉を使ったソーセージは、ドイツの伝統的な食文化の一部であり、特にバーベキューやビアガーデンで人気があります。様々な種類があり、地域ごとに異なる味が楽しめます。
  7. スペアリブ(Rippchen)
    バーベキューやグリルに非常に人気のある部位で、肉が骨からはがれやすく、ジューシーで風味豊かです。甘辛いソースで調理されることが多いです。
  8. 手羽先(Schweineflügel)
    他の部位に比べるとあまり一般的ではありませんが、独特の食感と風味を楽しめます。主にバーベキューやオーブンで焼かれることが多いです。

これらの部位は、調理法や用途によって異なる人気がありますが、一般的にロース、肩肉、バラ肉が特に人気です。豚肉は味のバリエーションが豊富で、様々な料理に利用されるため、家庭料理でも多くの人に親しまれています。

安い順

  1. 肩肉(Schweineschulter)
  2. バラ肉(Schweinebauch)
  3. ロース(Schweinelende)

牛肉の部位と種類

部位(日本語) 部位(ドイツ語)
サーロイン Sirloin
リブアイ Ribeye
肩肉(肩ロース) Schulter
もも肉(モモ) Oberschenkel
バラ肉(ブリスケット) Brust
ヒレ肉(テンダーロイン) Filet
ランプ肉 Hüfte
タルタル用肉(挽肉) Rinderhack

牛肉の部位人気順

  1. リブアイ(Ribeye)
    ジューシーで風味豊かで、ステーキとして人気です。
  2. サーロイン(Sirloin)
    柔らかく、バランスの良い味わいで、ステーキや焼き肉に多く使われます。
  3. フィレ(Filet)
    最も柔らかい部位で、特別な料理や高級なステーキとして好まれます。
  4. 肩ロース(Schulterstück)
    脂肪と赤身のバランスが良く、煮込みや焼き肉に人気があります。
  5. ブリスケット(Brisket)
    煮込み料理やバーベキューに使われることが多く、独特の風味が楽しめます。

安い順

  1. 肩ロース(Schulterstück)
  2. ブリスケット(Brisket)
  3. すね肉(Beinscheibe)
  4. 丸肉(Rinderbraten)
  5. 牛バラ(Rinderbauch)

ひき肉が便利で安い

どうしても牛肉が食べたいのに、金銭的に難しい場合は、ひき肉がおすすめ。

スーパーのパック売りもされていて、ビオの肉も買えます。

ラム肉(Lammfleisch)

ラム肉は、ドイツでは通常スーパーや精肉店で様々な部位が販売されています。以下の部位が一般的です。

*安い順

部位 ドイツ語名 特徴と用途
ラムミンチ Lammhackfleisch ハンバーグやミートボール、カレーなどに使えるひき肉として販売されています。
ラムショルダー Lammschulter 肩の部位で、煮込みやロースト、グリルに適しています。価格も比較的手頃です。
ラムレッグ Lammkeule ラムの後脚の部位で、ローストや煮込み料理に使われます。特に大きめの塊で提供されることが多いです。
ラムチョップ Lammkoteletts 骨付きのラム肉で、グリルやフライに最適です。ステーキとして人気があります。
ラムロイン Lammrücken 背肉で、ローストや焼き肉に使われます。柔らかく風味が豊かです。

猪肉(Wildschwein)

猪の肉やソーセージもドイツ人に人気です。安い順に部位を並べました。

部位 ドイツ語名 特徴と用途
猪ひき肉 Wildschweinhackfleisch ハンバーグやミートソース、シチューに使えるひき肉。手頃な価格です。
猪肩肉 Wildschweinschulter 肩の部位で、煮込みやローストに適しており、比較的安価です。
猪すね肉 Wildschweinhaxe 煮込みやグリルに向いており、風味豊かで食べ応えがあります。
猪ロース肉 Wildschweinrücken ローストやステーキに適した背肉。ジューシーで風味豊かです。
猪フィレ肉 Wildschweinfleisch 最も柔らかく、贅沢な部位。ステーキやグリルで高級感を味わえます。

猪肉のソーセージをパンで挟んで食べるのが絶品!クリスマスマーケットなどで食べてみて

鹿肉

部位 ドイツ語名 特徴と用途
鹿ひき肉 Hirschhackfleisch ハンバーグ、ミートソース、ラザニアに適しています。最も手頃な価格です。
鹿肩肉 Hirschschulter 煮込み料理やローストに適しており、風味豊かで比較的安価です。
鹿すね肉 Hirschhaxe じっくり煮込む料理に最適で、独特の風味が楽しめます。
鹿ロース肉 Hirschrücken ローストやステーキに適した部位で、柔らかく高級感があります。
鹿フィレ肉 Hirschfilet 最も柔らかく高級な部位。ステーキやグリルに最適で、特別な料理に使われます。

うさぎ肉

部位 ドイツ語名 特徴と用途
ウサギのひき肉 Kaninchenhackfleisch パテやミートボールに使用され、手頃な価格で購入できます。
ウサギの前脚 Kaninchenvorderläufe 煮込みやローストに使われ、比較的安価な部位です。
ウサギの後脚 Kaninchenkeulen グリルやローストに適しており、やや高価な部位です。
ウサギの背肉 Kaninchenrücken 柔らかく風味が豊かで、ローストやステーキに使われます。比較的高価です。
ウサギのフィレ肉 Kaninchenfilet 最も柔らかく高級な部位で、グリルや特別な料理に適しています。

鴨肉

部位 ドイツ語名 特徴と用途
鴨のひき肉 Entenhackfleisch ミートボールやパテに使われ、手頃な価格で購入できます。
鴨の手羽先 Entenflügel 煮込み料理やグリルに使われ、脂がのっているためジューシーです。比較的安価です。
鴨のもも肉 Entenkeulen ローストやグリルに最適で、ボリューム感があります。中程度の価格帯です。
鴨の胸肉 Entenbrust 柔らかく風味豊かで、ステーキやローストに使われます。比較的高価です。
鴨のフィレ肉 Entenfilet 最も高価で、特別な料理やグリルに適しています。柔らかくジューシーです。

レストランで食べる鴨肉

ドイツのレストランでは、鴨肉料理をオーダーするのがおすすめ

レストランでよく出てくる鴨肉料理の部位

  1. 鴨の胸肉(Entenbrust):よくグリルやローストで提供され、皮がパリッとした食感と肉が柔らかいのが特徴です。
  2. 鴨のもも肉(Entenkeulen):煮込み料理やローストに使われることが多く、肉がしっかりとしていて、ジューシーな味わいがあります。

人気の肉の切り方ガイド:用途別ランキング

  1. 薄切り肉(Schnitzel):
    薄切り肉は、焼き肉やフライに非常に人気があります。カツレツや焼き肉としてよく利用され、調理が簡単で食べやすいのが特徴です。
  2. ミンチ肉(Hackfleisch):
    ハンバーグやミートソース、ソーセージなど、多用途に使えるため非常に人気があります。家庭料理でよく使用される切り方です。
  3. 角切り肉(Würfel):
    シチューやカレー、スープなど、煮込み料理に欠かせない切り方です。食材が煮込まれることで、旨味が引き出されます。
  4. 細切れ肉(Streifen):
    薄く細長い形状の肉は、炒め物やサラダ、タコスの具材として人気です。調理が簡単で、味がしっかりと絡むのが魅力です。
  5. ロースト用肉(Braten):
    大きめにカットされた肉は、ローストやグリルに最適で、特別な食事やパーティー料理に用いられます。肉の風味をしっかり楽しめます。
  6. そぎ切り(Sogikiri):
    斜めに薄く切った肉は、しゃぶしゃぶや特別な料理で人気があります。食感が楽しめるため、特に和食で好まれます。
  7. ブロック肉(Block):
    大きな塊のままの肉は、後から必要に応じて切ることができ、ローストや煮込み料理に使われますが、一般的には他の切り方に比べると利用頻度は低めです。
  8. 丸ごと(Ganz):
    骨付きの状態で調理する方法は、特別な料理やパーティー用のメインディッシュとして使用されますが、日常的な料理ではあまり一般的ではありません。

薄切り肉は、焼き肉やフライに非常に人気がありますが、ドイツでは一般的ではありません。

地元の肉屋や精肉店に行き、薄切り肉を希望する旨を伝流必要があり、多くの肉屋では、要望に応じて肉をカットしてくれることがあります。

豚や牛の薄切り肉に関しては【ドイツで「薄切り肉」の買い方】をご覧ください。

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